第２６回　２００４年６月３０日


今日は、「ねがい」っていうことは・・・・。

僕は、ちいさなころ、流れ星を見たくて何時間も夜空を見上げた。
僕は、遠足の前の日。わくわくしながら「てるてる坊主」をつくった。
僕は、七夕の日には、短冊に「ねがい」をこめた。
僕は、仏教徒でもないけど・・・。お盆にはご先祖様におがんだ。
僕は、無宗教なのに、クリスマスのよるは「くつした」をぶら下げた。
僕は、お正月。本気でお願いをしていた。

いくつの「ねがい」が、かなっただろうか？
きっと、すべてかなっては、いないのだから・・・。
いくらかの「ねがい」は消えてしまった・・・。


僕は、今。夜空を眺めてタバコをくゆらす。
僕は、今。電車に揺られて、遠くの街にも出て行く。
僕は、今。汗だくになって駆け回って、家で月をみながらビールを呑む。
僕は、今。お盆休みには、家でくつろいで渋滞情報をながめる。
僕は、今。クリスマスの夜。誰かとケーキを食べている。
僕は、今。こみあう神社で並んで待て居る。

いくつもの時が過ぎた・・・。
あの日の「ねがい」は、かなったのだろうか・・・？
僕は、なりたかった自分になったのだろうか？

僕は、なりたかった自分になった気はしない。
もっと、素晴らしい人物なら良いのだろうけれど・・・。
僕は、そう思えない。


幼い頃、願った「ねがい」
今思えば、ささやかな「おねがい」だった・・・。

「欲しいおもちゃがもらえますように・・・」
「遠足が晴れますように・・・」
そんな、ささやかな「ねがい」

今､僕の願いはなんだろうか・・・？


あなたの「ねがい」はなんでしたか？
今､あなたはどんな「ねがい」がありますか？


今夜。
僕は夜空を見上げてみる。
タバコをくわえて、灰皿持って見上げる。

今の僕に見えるのは・・・。
月。

月は「流れ星」ではないから、願いをかなえてくれない。
けれど、綺麗な夜空をみあげる。

もしかしたら、これがいま。僕が願ったことかもしれない。
綺麗な空が見たくて、ベランダに出たのかもしれない。

「ねがい」なんて、あってないもの。なのかもしれない。


「もうすぐ、七夕だなぁ・・・」
僕は、月をみていた。