第３６回　２００５年１月７日


僕は君のことを、今。思う。
君は僕のそばには、もういない。

君は、いつだっていてくれたのに・・・。
もう、いない。

君が別れを切り出した日。
ものすごい雨だった。
涙があとからあとからあふれてくるような・・・。
そんな雨の日だった。

今、思えば・・・。
どうして、もっともっとやさしく出来なかったんだろう・・・。
もっともっと、楽しいこと出来なかったんだろう・・・。
そんなことばかりが、あたまを巡る。

今日みたいな天気の良い日。
空を見上げてみている。
君はどうしているだろう・・・。
そんな風に思うから。

僕はこの手を空へと伸ばす。
決して届かない君の手のひらを握りたくて・・・。
僕はこの手を君へと伸ばす。
けして、飛べないこの両手を高く高く突き上げて・・・。

あの日。
君とはしゃいだ公園。
僕はあの丘の上にある公園に行く。

夕焼けの公園。
遠く遠くの山が橙に染まる。
眼下の道路。
やがてテールランプの赤色が照られている。

僕は、この手を空へと空へと伸ばす。
けして、届かぬ僕の両手を高く高く突き上げる・・・。
僕は、この空の向こうに手を伸ばす。
けして、飛べない両手で高く高く見上げてる。

君が好きだったこの景色。
君が乗っていたブランコ。
何も変わらないこの公園。
違うのは、君がいないだけ・・・。

そして。
ブランコだけがゆれていた。
君はここにいないのに・・・。

そして。
ブランコはゆれていた。
君がこいでいるように・・・。

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